犬・猫・小鳥・小動物などのペットの健康相談、高度な診察・診療、しつけ方教室など対応。 獣医師募集も行っています。

リスクマネジメントについて

ご家庭で飼われている動物たちがコンパニオンアニマル(伴侶動物)と呼ばれ、家族同様もしくはそれ以上の存在であるという飼い主様が大多数である現代社会で、我々獣医療に携わるものはその命の重さを真の意味で共有し、日々、質の高い医療を提供する責務があります。それと同時に大切なのがリスクマネジメントという考え方です。
医療には数字で表せない不確実さがあり、100%安全な医療は存在しません。予期せぬ有害事象が起きた場合にその過程を開示、報告して問題点について解析し、再発防止の対策を継続的に積み重ねていくことで起こり得るリスクを最小限にすること、そしてより高い安全性を追求するシステムを構築すること、それがリスクマネジメントです。

動物病院では毎日のように大切な命との出会いや別れを繰り返しています。持てるすべての力を発揮して治療や手術にあたることが最善であり、託された命を守るのが病院スタッフの最大の使命であることは言うまでもありません。しかし、それだけでは真の医療が実践されたことにはならないことを我々はあるご家族との出会いを通して学習させていただきました。そのご家族から1つの小さな大切な命をあずかり、その命の灯を消してしまったのです。
自らの持つ経験や知識に溺れ、その手術に潜む危険性をご家族と共有することを怠り、その原因についても明確に検証できない状態でした。こうすれば大丈夫という潜在的な過信が最も不幸な結果を生みだし、最後に残してくれたであろう体や心の動揺をつぶさに察知、認識してあげられなかったことも命を預かるものとして恥ずべきことであると自責しております。

ご心痛にもかかわらずご家族からは建設的でありがたいご提言をいろいろいただきました。お話をお聞きしていくなかで、我々の獣医療への考え方が医療者側の論理に偏っていることを痛感しました。
質の高い医療とは科学的に高度な医療を意味するのではないということ、つまり言葉なき小さな命の代弁者であるご家族の意思や考え方を理解し、より正確な情報を提供し共に治療を模索することが医療の質を向上させる第一歩であり、それには家族の方々が積極的に治療に参加できる環境作りとリスク管理の構築が不可欠かつ急務であることを認識させていただきました。

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